歯肉口内炎・歯の吸収性病巣(全臼歯抜歯)
3歳 日本猫 ♀
まだ3歳の若い猫ちゃんですが、「口臭がひどい」「舌を出しっぱなしにしている」ということで、ご来院されました。
歯周病と歯の吸収病巣が原因で、ほとんどの臼歯を抜歯する必要がありました。
1.鎮静下で口の中を確認しました。
右側からみて、上顎・下顎臼歯の歯石・歯肉炎が重度であり、歯根部分が露出している状態でした。
また炎症のため歯がぐらぐらしていました。
2.左側からみても、上顎・下顎臼歯の歯石・歯肉炎が重度であり、舌の一部が切れているため、出血も起こしていました。
3.歯科レントゲンで確認すると、歯が溶ける病気(歯の吸収病巣)のため、歯肉炎が悪化していることが判りました。
その為、全臼歯抜歯を決定しました。
まず、右上顎臼歯を分割しています。
4.分割した全ての歯を抜歯し、周囲の骨を削り、歯肉に刺激がないように、縫合します。
5.すべての上顎臼歯を抜歯し縫合しました。
6.同じく下顎の写真です。
下顎の臼歯も抜歯し、縫合しました。
また、舌の切れている部分も縫合しました。
抜歯により、短期間で口内炎・舌炎が改善され、非常によくごはんを食べれるようになり、性格も以前より活発になりました。
歯肉口内炎は、内科的治療では改善が難しいため、このような外科的処置が必要となります。