【獣医師が解説】SFTS(重症熱性血小板減少症候群)と冬のノミ・ダニ予防について|奈良市のてらい動物病院
【獣医師が解説】SFTS(重症熱性血小板減少症候群)と冬のノミ・ダニ予防について|奈良市のてらい動物病院
【獣医師が解説】SFTS(重症熱性血小板減少症候群)と冬のノミ・ダニ予防について|奈良市のてらい動物病院
― 冬でも“予防を止めない”理由を、てらい動物病院が解説 ―
こんにちは、奈良市のてらい動物病院です。
朝晩の冷え込みが強くなり、冬の訪れを感じる季節になりました。
お散歩の時間帯や室内の温度差で体調を崩しやすいワンちゃん・ネコちゃんが増える時期ですが、同時に“冬でも意外と油断できない”ノミ・ダニの問題があることをご存知でしょうか。
今回は、近年ニュースでも耳にするSFTS(重症熱性血小板減少症候群)と、「冬のノミ・ダニ予防を続ける必要性」について、獣医師がわかりやすく解説します。
1. SFTSとは?人にも感染する危険なダニ媒介感染症

SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome/重症熱性血小板減少症候群)は、
マダニを介して感染する人獣共通感染症です。
主な症状
- 高熱
- 嘔吐・下痢
- 血小板減少(出血しやすくなる)
- 肝臓や腎臓の障害
- 重症化すると命に関わることもあり、注意が必要
主な感染経路
- SFTSウイルスを持つマダニに咬まれる
- 感染した犬猫の体液(唾液・嘔吐物・血液など)に触れて人が感染
特に猫から人への感染例は複数報告されており、
近年は犬からの感染の可能性についても警戒されています。
つまり、ワンちゃん・ネコちゃんを守ることが、そのままご家族を守ることにもつながります。
2. 奈良県はSFTSの報告地域。決して他人事ではありません

近畿圏では奈良・和歌山・大阪などで、毎年SFTS患者の報告が確認されています。
奈良市・生駒市・大和郡山市エリアは、
- 公園や街路樹の植え込みが多い
- 山や丘の造成住宅が多い
- シカなど野生動物が身近にいる地域がある
といった環境から、マダニの生息に適した地域だといえます。
つまり、お散歩中に草むらに入るだけでも、マダニと接触する可能性が十分にあるということです。
3. 「冬はマダニがいない」は誤解です
🟠 マダニは10℃以上で活動します
マダニはおおむね10℃以上で活発に活動します。
奈良市の冬は、日によって10~12℃まで気温が上がる日が珍しくありません。
そのため、真冬でも日中に草むらや土の上に入ると、普通にマダニが活動していることがあります。
🟠 ノミは室内で一年中繁殖します
ノミは、外気温が低くても室内の暖かい環境で一年中繁殖可能です。
例えば、こんな場所はノミにとって快適な環境です。
- こたつ
- カーペット
- ペットベッド
- 暖房の効いたお部屋全般
一度ノミを室内に持ち込んでしまうと、冬の間でもどんどん増えてしまうため、季節に関係なく注意が必要です。
4. 冬に予防を止めると…春に爆発的に増える理由
冬は「虫が少ないから大丈夫」と油断して、予防を中断してしまいがちな季節です。
しかし、その「ちょっとのお休み」が大きなリスクにつながります。
❌ 予防のお休みは「空白期間」をつくります
たった1~2ヶ月予防を止めるだけでも、
薬の効果が切れたタイミングでノミ・マダニに咬まれるリスクが生まれます。
❌ 冬の1匹が、春の大発生の原因に
冬のうちに侵入したノミ・マダニは、
春になって気温が上がると一気に繁殖します。
その結果、次のようなトラブルの原因になります。
- 激しいかゆみ・皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 貧血や体調不良の原因となる吸血被害
- SFTSをはじめとしたダニ媒介性感染症のリスク上昇
「冬はお休み」ではなく、一年を通した予防が大切です。
5. てらい動物病院が推奨する「冬のノミ・ダニ予防」
当院では、ノミ・マダニからワンちゃん・ネコちゃん、そしてご家族を守るために、
✔ 通年予防(12ヶ月)が最も確実で安全 と考えています。
🟠 犬の主な予防薬の例
- ネクスガード
- ブラベクト
- フロントラインプラス
🟠 猫の主な予防薬の例
- レボリューションプラス
- ブラベクトスポット
お薬の種類や投与方法は、体重・年齢・生活環境・持病の有無によって最適なものが変わります。
診察時に獣医師がご相談のうえで、その子に合ったお薬をご提案いたします。
特に猫はSFTSの発症リスクが高く、人への伝播例も報告されているため、
外へ出る猫ちゃんは必ずノミ・ダニ予防を行うことをおすすめします。
6. もしマダニに咬まれたら?正しい対処法
やってはいけないこと
❌ 自分で引っ張って取ろうとする
ピンセットや指で無理に引っ張ると、
口の部分が皮膚に残り、炎症や二次感染の原因になります。
正しい対応
- そのままいじらず、できるだけ早く動物病院へお越しください。
- 病院でマダニを弱らせて安全に除去し、必要に応じて血液検査やお薬の投与を行います。
同時に、人への感染リスクについても説明し、必要な場合は医療機関の受診をおすすめすることもあります。
【まとめ】SFTSの予防=ノミ・マダニ対策が最重要。冬でも油断しないでください
- 奈良県でもSFTS患者の報告があり、決して他人事ではありません。
- マダニは冬でも気温が10℃以上の日には活動します。
- ノミは室内の暖房環境で一年中繁殖します。
- 冬に予防を止めると、春以降にノミ・ダニが急増しやすくなります。
- 通年予防(12ヶ月)が、ワンちゃん・ネコちゃんとご家族を守る最も安全な方法です。
大切な家族を守るためにも、
「冬だから大丈夫」と油断せず、年間を通したノミ・ダニ予防を続けてあげましょう。
「うちの子にはどの薬がいいの?」「本当に冬も必要?」といった疑問も、どうぞお気軽にご相談ください。
📞 ご相談はいつでもどうぞ|てらい動物病院(奈良市)
てらい動物病院
歯科に力を入れている、地域のかかりつけ動物病院です。
☎ 0742-81-9235
奈良市・生駒市・大和郡山市より、多くの飼い主さまにご来院いただいています。



